神戸大学医学部保健学科・大学院保健学研究科

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大学院保健学研究科
Kobe University Graduate School of Health Sciences

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リハビリテーション科学領域

リハビリテーションの基本理念は、「全体的な人間としての障害者の人間らしく生きる権利の回復、すなわち全人間的復権」であるが、その学問的基盤をなすのがリハビリテーション科学である。リハビリテーションは、目的において「復権の医学」、対象において「障害の医学」、問題志向において「プラスの医学」、方法において「チーム医療」、方向性において「可能性の医学」という特徴・独自性を有し、その学問的体系であるリハビリテーション科学もこのコンセプトを基盤としている。リハビリテーションでは、1980年代に確立したICIDHという国際障害分類が使用されてきたが、2001年に国際生活機能分類(ICF)へと改められ、今やリハビリテーションに関わるすべての人々の共通パラダイムとして定着している(図)。これらのことを踏まえリハビリテーション科学領域では、特に理学療法学、作業療法学分野を中心とした教育・研究者や臨床現場のリーダーたる高度専門職者を育成することを目指している。なお本領域は、保健学研究科の他の4領域と連携・協力のもと国際性(international)、学際性(interdisciplinary)、独自性(identifiable)、創造性(creative)、自律性(autonomic)、地域連携性(community-collaborated)、未来志向性(future-oriented)というコンセプトのもと、包括的な研究を実践する。本領域に生体構造学、運動機能障害学、脳機能・精神障害学の3分野を設け、下表のような教育・研究を行っている。

図:ICFの構成要素間の相互作用(厚生労働省2001)

図:ICFの構成要素間の相互作用(厚生労働省2001)

表:リハビリテーション科学領域の研究課題

表:リハビリテーション科学領域の研究課題

生体構造学分野

ミッション

生体構造学分野では、基礎医学的研究を行う。特に以下の2つである。

  • ヒトを含む霊長類の肉眼解剖学的解析により、運動器の形態の成り立ちを追求すること。ヒトの運動器を中心とした構造を知るためには、比較も視野に入れた肉眼解剖学的解析が重要である。目の前にある事実を直視し、考えることを重視している。
  • リハビリテーションの場で行われている様々な治療の効果について基礎医学的に検証すること。様々な物理的な刺激の解析は、その影響が広範に及ぶため、包括的な形態学的、生理学的、生化学的解析を行わなければならない。

上記の研究手法の必要性とともにその実際を学び、結果の検証を行っていくことを目的としている。さらに発展させて、効果的な治療法の提案を行い、臨床へと還元させることも視野に入れている。

メッセーシ゛

理学療法、作業療法における「なぜ?」「どうして?」を解決する方法として、基礎医学的な手法を用いることは、選択するべき解決法の1つであろう。その際、基礎医学的手法を用いた解析結果を読み解くためには、一見理学療法、作業療法とは関係のなさそうな事象も学んでいかなければならない。基礎医学である解剖学、生理学は理学療法、作業療法のためだけにある学問ではないからである。逆に、一見したら理学療法、作業療法とは関係のなさそうな事象を学んでいくことが、将来的には理学療法、作業療法の学術分野を広げる可能性を秘めているのである。 基礎医学的研究に興味があればぜひ連絡をしてほしい。「理学療法、作業療法と関係ないのではないか」と思える解剖学的、生理学的研究テーマでもよいので、一度相談してほしい。理学療法、作業療法の分野の大学院生、研究生だけでなく、違う分野からの大学院生、研究生も歓迎する。

運動機能障害学分野

ミッション

リハビリテーション医療では、運動器疾患に起因するさまざまな運動機能障害や姿勢・運動異常を扱うが、その治療アプローチ法の「準拠枠」として運動学が利用される。また運動学視点からの研究を通じてこれら運動の本質を理解・追及しようとする試みもできる。運動学(kinesiology)は自動的,他動的構造を含めた運動の科学または研究のことであり、主として筋骨格系解剖学,神経筋生理学,そしてバイオメカニクスという3つの学問領域を基盤としている。運動学は、歴史的に解剖学や力学に重点が置かれたが、最近では生理学、特に呼吸・循環・代謝などの運動生理学や中枢神経系の機能を運動制御の観点から研究する神経生理学が発展してきている。さらに運動学習などの心理学や非言語性コミュニケーションなど運動のもつ社会・文化的側面も問題にされている。このように運動学は臨床で働く人々にとって人間の運動や動作・活動を注意深く分析する上で役に立つ。これを踏まえ運動機能障害学分野では、さまざまな運動器の疾病・損傷、加齢などにより発生する姿勢・運動機能障害に対して機能障害、活動制限、参加制約というICFの障害構造に基づき、その診断・評価、治療およびその効果判定などに関して包括的に教育・研究を行う。

メッセーシ゛

運動機能障害の理論的根拠は生理学や運動学の臨床応用、すなわち、病態生理学(pathophysiology)と病態運動学 (pathokinesiology)であるといっても過言ではい。それをもとに理学療法・作業療法に不可欠な評価・治療介入の科学的プロセスの方向づけを模索することができる。病態生理学や病態運動学は広く理学療法や作業療法の独自性、あるいは、アイデンティティにも深く関わる。特に病態運動学はいまだ人間の運動が完全にとらえられていないという現状を打破する必要があり、発展途上の学問領域であるといえるため、運動機能障害学分野における教育・研究は新たな未知の領域への挑戦であるともいえる。

脳機能・精神障害学分野

ミッション

脳機能・精神障害学分野では、感覚機能・運動機能・認知機能(高次脳機能)・精神機能など主に中枢神経系が関わる諸機能についてリハビリテーションの対象となる障害を全人的に捉え、健康で質の高い生活を営む妨げとなる病態を基礎科学的および臨床科学的研究方法を用いて解析する。また、その障害の原因を含めたメカニズム解明や、一人一人の障害に応じた評価法および環境適応・生活支援を含むリハビリテーション技法の開発を行う。
さらに、このような研究マインドをもち脳機能・精神障害のリハビリテーションを実践する高度専門職者の育成と、独創性を持った教育・研究者の養成を目指している。

メッセーシ゛

脳など中枢神経系の器質的な損傷あるいは非器質的な疾患による、種々の高次脳・神経機能障害あるいは精神障害に関するリハビリテーション研究に関心がある人、またこのようなリハビリテーションの対象となる大脳・小脳・脊髄など神経系に関する基礎的研究に、あるいは神経・精神疾患の臨床的研究に興味がある人を歓迎する。大学院での研究希望者は、出願前に研究テーマ等について担当教員にご連絡下さい。

健康情報科学(連携講座)

ミッション

情報通信研究機構の脳情報通信融合研究センター(CiNet)と連携し、先端的認知科学及び情報通信技術を基盤とする新たな保健学研究に必要な基礎知識及び技術の習得並びに思考力の涵養にかかわる教育を行います。

ディプロマ・ポリシー カリキュラム・ポリシー カリキュラムマップ 前期課程PDF カリキュラムマップ 後期課程PDF 単位と履修例
生体構造
  • 准教授 荒川 高光
  • 運動機能障害学
    脳機能・精神障害
    健康情報科学(連携講座)
    • 教授 Ferdinand Peper
    • 教授 片桐 祥雅
    • 准教授 下川 哲也
    助教