石田 達郎(教授)Ishida Tatsuro
| 学位 | 博士(医学) M.D., Ph.D (Medicine) |
|---|---|
| 専門分野 | 実践看護学、内科学、循環器学 |
| ishida★med.kobe-u.ac.jp | |
| TEL / FAX | TEL:078-796-4525 |
| HP | 石田G研究室(医学研究科と共通) |
| 神戸大学研究者紹介システム | 石田 達郎 |
注意:各教員のメールアドレスは“@”マークを“★”にかえてあります
所属
所属領域(大学院) 看護学領域
所属専攻(学部) 看護学専攻
担当科目
【学部】生理機能検査学、内部障害理学療法学、臨床生理学、症状マネージメント論、フィジカルアセスメント演習、研究ゼミナール、画像診断解析学、総合画像診断学、疾患の成り立ちと治療、臨床検査医学Ⅱ
【大学院】上級臨床薬理学・上級病態生理学、実践看護学特講
所属学会
日本内科学会、日本循環器学会、日本動脈硬化学会、日本高血圧学会
メッセージ
超高齢化社会を迎えて医学・医療は大きく変化しました。多くの先進・高度治療の適応が広がり、心臓リハビリテーションや二次予防法の有効性も確立し、救命率や予後が改善しています。一方、慢性疾患、後期高齢者、独居、フレイルや多くの併存疾患を持った患者が増えました。このような複雑な患者に対応するには、単一疾患に対する医療を前提とした旧来の医療のみでは不十分で、メディカルスタッフによる多職種協働が欠かせません。そこで私は、医療職の専門性と質の向上、キャリアアップに貢献することを目指しています。そのためには、若者にリサーチマインドを喚起することが重要です。私は、動脈硬化や脂質異常症の診断治療に関する研究をしてきました。とくに、これまで行っていた基礎的研究の成果として、いくつかの新規の標的を同定しました。例えば、高比重リポ蛋白質(HDL)の代謝を制御する血管内皮リパーゼ(Endothelial Lipase: EL)は、HDLを分解代謝することでHDLを減少させる酵素で、ELの機能を阻害することによりHDLコレステロールを増加させ、動脈硬化の発症進展を抑制できる可能性があります。また、シスメックス(株)との共同研究として、HDL粒子の機能(コレステロール取り込み能)の測定系を開発・実用化しました。さらに、トランス脂肪酸などの不適切な脂質の摂取が健康に及ぼす影響を解明しました。これらは極めて独自性が高い研究テーマである上に、動脈硬化性疾患の成因と管理と直結しており、幅広い領域の大学院生に興味をもってもらえるものと思います。気軽にご連絡ください。
研究テーマ
1. 高比重リポ蛋白(HDL)の量と質に関する研究
1) HDLの機能に関する研究
「善玉」とよばれるHDLは、炎症などの病態で「悪玉」となります。HDLの機能としてコレステロールの引き抜き作用があります。私たちは、簡便で再現性の高いHDL機能の測定系としてコレステロール取り込み能(cholesterol uptake capacity: CUC) を確立しました。この方法を用いて、HDLの機能の変化のメカニズムについての基礎および臨床研究を行っています。
2) 血清HDL値の制御機構に関する研究
血清HDL値は、肥満や喫煙、運動不足、糖尿病、脂質異常症などによって低下します。私たちはHDLの分解代謝酵素である血管内皮リパーゼ(Endothelial lipase : EL)を同定しました。ELは血清HDL値の規定因子で、免疫生物研究所(IBL)と共同でヒト血中EL蛋白濃度の測定系を開発しました。多彩な病態や生活習慣とHDLの関係をELの観点から明らかにしようとしています。
2. トランス脂肪酸の冠動脈疾患リスクに関する研究
トランス型の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどに多く含まれています。トランス脂肪酸摂取量が多い欧米では、トランス脂肪酸が心疾患リスクを高めることが報告されトランス脂肪酸の摂取を規制する動きがあります。私たちは日本人の冠動脈疾患患者を対象に、ガスクロマトグラフ質量分析装置で測定した血清トランス脂肪酸濃度と冠動脈疾患発症との関連性を研究しています。
3. 心不全の病態解明に関する研究
心臓は生涯絶え間なく働いており、莫大なエネルギーを常に確保できるようミトコンドリアを豊富に持っています。一方でミトコンドリアは活性酸素種の産生源ともなるため、心臓には酸化ストレスに対する精緻な防御機構があると考えられています。私たちは、2-アミノ酪酸(2-AB)やケトン体が生体内で酸化ストレスを軽減することを明らかにしました 。このように心臓の保護作用の研究をしています。
4. 高LDL血症や高レムナント血症の病態と治療に関する研究
「悪玉コレステロール」とよばれるLDLのほか、トリグリセリドを運ぶVLDLやレムナントは動脈硬化の促進因子です。私たちは「総合的な脂質管理」を目指して、外因性脂質を含めた脂質異常症の病態解明と治療標的に関する研究を行っています。
5. 高血圧研究
高血圧によって生じる心臓血管合併症の発症機序や治療法について研究しています。
社会活動
- 神戸大学エキスパートメディカルスタッフ育成センター長として、兵庫県内医療機関の多数のメディカルスタッフに生涯教育ち高度専門教育研修を提供するプログラムに取り組んでいます。詳細はこちら
- 神戸大学医学部附属地域医療活性化センター副センター長として、兵庫県庁と連携して県内の医師不足・医師偏在を是正するための社会活動を行なっています。詳細はこちら
- 地域枠医師や学生を中心とした若手医師のキャリア形成支援を行なっています。
- 医学科と保健学科の高大連携事業を通して、兵庫県内で医療系職種を目指す高校生を奨励する活動をしています。
主な著書
NEW薬理学 第8版(南江堂)「脂質異常症治療薬」 2022年
熱血循環器学(洋學社)「心血管病イベントと脂質リスク管理」 2019年
主な論文
Nagao M, et al. Serum concentration of full-length- and carboxy-terminal fragments of endothelial lipase predicts future cardiovascular risks in patients with coronary artery disease. J Clin Lipidol. 2019;13:839.
Oshita T, et al. Elevated levels of serum elaidic acid predict the risk for repeat revascularization after percutaneous coronary intervention in Japan. Circ J. 2019;83:1032.
Honda T, et al. Serum elaidic acid concentration and risk of dementia: the Hisayama Study. Neurology. 2019;93:e2053.
Nagano Y, et al. Impaired Cholesterol-Uptake Capacity of HDL Might Promote Target-Lesion Revascularization by Inducing Neoatherosclerosis After Stent Implantation. J Am Heart Assoc. 2019;8:e011975.
Kuroda K, et al. Effect of Rosuvastatin and Eicosapentaenoic Acid on Neoatherosclerosis: The LINK-IT Trial. EuroIntervention. 2019;15:e1099.
Okano M, et al. In vivo Imaging of Venous Thrombus and Pulmonary Embolism Using Novel Murine Venous Thromboembolism Model. JACC Basic Transl Sci. 2020;18:344.
Oshita T, et al. Association of Cholesterol Uptake Capacity, a Novel Indicator for HDL Functionality, and Coronary Plaque Properties: An Optical Coherence Tomography-based Observational Study. Clin Chim Acta. 2020;503:136.
Watanabe K, et al. Critical role of glutamine metabolism in cardiomyocytes under oxidative stress. Biochem Biophys Res Commun. 2020;291:32062.
Iino T, et al. Effects of Elaidic Acid on HDL Cholesterol Uptake Capacity. Nutrients. 2021;13:3112.
唐木惇生、他. 慢性心不全の自己管理における体重測定の重要性. 兵庫県医師会医学雑誌. 2021;62:2.