未来社会医学専攻・領域 教員紹介

国際・環境保健学講座

国際保健学分野

保健医療専門職や国際保健活動に実践経験をもつ専門職が、現代社会における健康問題に対して、プライマリーヘルスケアの概念を基盤に、現実的かつ実践的な解決策を導くための研究に取り組んでいます。 また、持続可能な開発と人々の健康の両立を目指し、世界各地の社会文化的背景や環境要因の多様性を踏まえて、人類生態学や公衆衛生学の方法論を用いた研究を進めています。 本分野には、低・中所得国の母子保健や栄養、地域社会の社会文化的変容、非感染性疾患やジェンダー格差など、多様な健康課題に取り組む研究者が所属しています。 各教員はアジアや太平洋島嶼国を中心にフィールドを持ち、現地の社会文化的文脈に根ざした研究を展開しています。 これらの研究活動を通じて、持続可能で実践的なヘルスケアの発展に寄与することを目指しています。
Health professionals and specialists with practical experience in international health activities conduct research aimed at developing realistic and practice-oriented solutions to contemporary health challenges, grounded in the principles of primary health care. In addition, to pursue both sustainable development and population health, we employ methodologies from human ecology and public health, taking into account the sociocultural and environmental diversity of communities around the world. Our division includes researchers who address a wide range of global health issues, including maternal and child health, nutrition, sociocultural change, non-communicable diseases, and gender disparities in low- and middle-income countries. Each faculty member conducts field-based research primarily in Asian and Pacific Island nations, working within the sociocultural contexts of local communities. Through these research activities, we aim to contribute to the advancement of sustainable and practice-oriented healthcare.

 
氏名 職位 講座名 分野名 部門
中澤 港 教授 国際・環境保健学 国際保健学 -
松井 三明 教授 国際・環境保健学 国際保健学 -
土谷テオリン ちひろ 准教授 国際・環境保健学 国際保健学 -
国際感染症対策学分野

本分野にはウイルス学と寄生虫学を専門とする研究者が在籍し、マクロな視点からミクロな視点まで網羅する国際感染症対策に関する包括的な研究を実施している。具体的には、国内外に流行する病原微生物の性状解析や薬剤耐性変異株の出現状況の調査研究や、病原微生物(デングウイルス、HIV、B型肝炎ウイルス、マラリア原虫等)の複製機構や病原性発現機構の解析、検査法の開発、ワクチン開発・創薬研究などの基礎的研究を行なっている。

 
氏名 職位 講座名 分野名 部門
亀岡 正典 教授 国際・環境保健学 国際感染症対策学 ウイルス学
靭 千恵 准教授 国際・環境保健学 国際感染症対策学 ウイルス学
入子 英幸 准教授 国際・環境保健学 国際保健学 寄生虫学

医療健康政策学講座

医療健康政策学分野

Ⅰ. データに基づいて課題を明らかにし、人々の暮らしやウェルビーイングを支えることをモットーに、市民や患者の価値観やニーズを反映する医療健康政策(person-centered health care policy)を実現するための研究を行います。社会疫学的な視点で健康の公平性の重要性を学び、日本や世界の現状を捉え、どうしたら公平で持続可能なヘルスケアシステムにできるかを考えていきます。市民や当事者、家族、医療者、行政、企業、アカデミアと多様な立場の方とともに研究を行い、誰一人取り残さない医療健康施策を実現するための能力を培います。以下のような研究テーマに取り組みます。
1. 公的統計や自治体、医療機関データを用いた誰一人取り残さない疾病対策の企画・立案・評価
2. 持続可能なユニバーサルヘルスカバレッジと公平性のあり方に寄与するデータサイエンス研究
3. 人々の健康と幸福に関わるウェルビーイングの測定と評価
4. 個人の価値に基づく意思決定を支えるデータ測定やツール開発
Ⅱ. 健康保険制度や医療体制の維持には、個々の医療機関・医療者が最適を求めるのみでは限界があります。当講座では、個別最適を超え、全体最適の視点で医療介護のあり方を研究します。また、兵庫県と緊密に連携し、県養成医制度や県内医療圏における医療提供体制や医療人材育成について、根拠に基づいた情報発信や活動を行います。

氏名 職位 講座名 分野名 部門
石田 達郎 教授 医療健康政策学 医療健康政策学 -
伊藤 ゆり 教授 医療健康政策学 医療健康政策学 -
医学教育学分野

医学教育学部門

医学教育学は、医療の質を左右する“医療人材育成”を科学的に探究する領域です。本分野では、教育理論や教育制度を体系的に修得するとともに、医療提供体制、地域医療、医療経済、EBPM(エビデンスに基づく政策形成)など、社会的課題にも視野を広げ、医学教育学の知見を基盤として多角的な提言ができる人材の育成を目指します。
1.医療人材育成におけるEBPMの活用と課題:政策形成と教育実践の架橋
2.地域医療を支える医療人材の育成モデル:教育制度と地域ニーズの整合性に関する実証研究
3.医学教育における「社会的責任」の育成と評価:教育理論に基づくカリキュラム開発の試み

   
氏名 職位 講座名 分野名 部門
小林 成美 特命教授 医療健康政策学 医学教育学 医学教育学
坂口 一彦 特命教授 医療健康政策学 医学教育学 医学教育学
塩見 優紀 特命助教 医療健康政策学 医学教育学 医学教育学
合田 建 特命助教 医療健康政策学 医学教育学 医学教育学

地域医療教育学部門・地域医療支援学部門

地域医療教育学部門および地域医療支援学部門では、地域医療、総合診療、プライマリ・ケア、医療健康政策(特にへき地医療政策)に関する研究を通じて、地域の人々の暮らしを支えるうえで最も重要な地域医療の実践に対し、その基盤となる科学的根拠を提供することで、地域医療の質の向上に寄与することを目指しています。
1.地域医療人材育成における効果的な教育手法の開発
2.地域医療、総合診療、プライマリ・ケアにおいてよく遭遇する疾患に対する適切な介入方法の検証
3.医療・介護連携および退院支援のあり方に関する研究
4.へき地医療政策、とくに効果的な支援のあり方の検討や、医師の分布が健康指標に与える影響の解析

     
氏名 職位 講座名 分野名 部門
岡山 雅信 特命教授 医療健康政策学 医学教育学 地域医療教育学
見坂 恒明 特命教授 医療健康政策学 医学教育学 地域医療支援学
林 友鴻 特命助教 医療健康政策学 医学教育学 地域医療支援学
隈部 綾子 特命助教 医療健康政策学 医学教育学 地域医療支援学
水谷 直也 特命助教 医療健康政策学 医学教育学 地域医療支援学

社会行動科学講座

社会行動科学分野

社会行動科学分野では、前臨床研究、臨床研究へとつなげ、認知症などの非感染症疾患の予防・リハビリテーション・介護支援を一貫して研究し、認知症予防を目的とする非薬物療法による多因子介入「コグニケア」の社会実装を行ってきました。さらに、医工連携・数理データサイエンスによるビッグデータ解析を用いた認知機能障害・認知症のエビデンスの創出と医療・介護AI機器開発、医療・福祉公共政策研究を行います。認知症予防だけでなくフレイルやこころの障害の予防、更には認知機能発達の促進因子を明らかにすることを目指します。

氏名 職位 講座名 分野名 部門
園田 悠馬 特命准教授 社会行動科学 社会行動科学 -
沖 侑大郎 助教 社会行動科学 社会行動科学 -

社会健康公正学部門

社会健康公正学部門(Section of Social and Health Equity)は、日本初の、世界でも希少なEquityを冠する教室です。公平性・公正性を核とした社会変革を通じて、健康の権利がすべての人々に保証される、公正で包摂的な未来社会を創造することをミッションに学際的な研究に取り組んでいます。社会において健康の不利を抱えやすい人々の健康の権利をアドボケイト(代弁)するPublic Health Social Workの概念を基盤に、社会と健康を結ぶ学術・実践のハブとして革新的な研究・社会実装を推進します。特に、以下のような研究に従事しています。
1. 貧困が多面的な健康・ウェルビーイングに与える影響とそのメカニズムに関する研究
2. 生活保護や無料低額診療事業といった社会福祉制度の利用者を対象にした学際的研究
3. 自治体の部署間横断連結データの構築およびそれを活用した官学共同研究
4. 中山間地など医療資源の乏しい地域における健康なまちづくり
5. 医療ソーシャルワークの現状とその支援効果に関する研究

氏名 職位 講座名 分野名 部門
西岡 大輔 准教授 社会行動科学 社会行動科学 社会健康公正学
小児保健学分野

小児保健学分野では、こどもの発達について、医学・看護学・社会学・心理学などの手法を用いて、「小児難治性疾患患者の予後、サバイバーシップの改善からこどものウェルビーイングに至る」次世代小児保健学の実践を目指しています。
1.小児がんの新規診断・評価法
2.小児難治性疾患の新規治療法
3.こどもの発達データ・統計解析
4. 治療後の小児がん患者の教育・就労支援などのサバイバーシップ
5. QOL評価尺度などのツールの開発や社会実装

氏名 職位 講座名 分野名 部門
西村 範行 教授 社会行動科学 小児保健学 -
副島 尭史 准教授 社会行動科学 小児保健学 -

疫学・公衆衛生学講座

予防医療学(連携)分野

予防医療学分野では、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBN)と連携し、身体活動・運動、栄養を基盤とする疾病予防、重症化予防に向けた疫学研究に取り組んでいます。健康日本21(第三次)の最大目標である健康寿命の延伸に資する研究を推進するために、分野横断的な幅広い知識および研究手法の獲得を目指します。

 
氏名 職位 講座名 分野名 部門
小野 玲 連携講座・教授 疫学・公衆衛生学 予防医療学(連携) -
門間 陽樹 連携講座・准教授 疫学・公衆衛生学 予防医療学(連携) -
森山 信彰 連携講座・准教授 疫学・公衆衛生学 予防医療学(連携) -
分子疫学分野

分子疫学分野では、公衆衛生学・疫学を基盤としつつ、わが国で増加する循環器・がん・脳とこころ領域での疾患等について、超早期診断・未病における介入を可能とする先端的研究を目指します。曝露とアウトカムとの関連を検討する疫学において、今日さまざまなオミックス情報が、分子疫学研究として導入されつつあります。我々は、新しい分子疫学研究の手法として、質量分析技術を基盤とした低分子代謝物の包括的解析(メタボローム解析)に取り組んできました。代謝物の動きを捉えることで、さまざまなヒト疾患病態の新たな理解を進め、超早期診断・未病における介入を実現したいと考えています。
1. 質量分析を応用した次世代オミクス解析
2. 深層学習・機械学習等を用いた医療AI・データサイエンス
3. 公的統計データを用いた社会疫学解析
教員それぞれがコアとなる技術を持ち寄り、上記の研究目標を目指しています。

 
氏名 職位 講座名 分野名 部門
篠原 正和 教授 疫学・公衆衛生学 分子疫学 -
西森 誠 助教 疫学・公衆衛生学 分子疫学 -
片岡 葵 特命助教 疫学・公衆衛生学 分子疫学 -
地域感染対策学分野

当分野では、「安全で高度な医療」を提供するために院内で起こる可能性のある外因性感染症(外部から持ち込まれる病原体による感染症)のリスクを最小化する活動に従事しています。その具体的な内容は、職員の院内感染防止のための研修やマニュアルの整備、検出される病原体の頻度や種類の監視、院内環境の感染対策面での整備、薬剤耐性菌の増加を抑えるための抗菌薬適正使用の推進などです。このために医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師の各専門領域の職種メンバー、事務担当者からなるインフェクション・コントロールチーム (ICT)を組織しています。そして、当院は三次医療機関の役割だけでなく教育医療機関としての役割も担っていますので、医学生・看護学生ほかの教育研修にも協力しています。また、感染対策地域連携では、地域医療機関の感染対策水準の向上目的で神戸市および兵庫県などの行政機関とも協力して活動にあたっています。

氏名 職位 講座名 分野名 部門
宮良 高維 特命教授 疫学・公衆衛生学 地域感染対策学 -
立証検査医学分野

当分野では、講座創設時に掲げられた理念である「検査の有用性を科学的に明らかにすること(Evidence-Based Laboratory Medicine)」を継承しつつ、本邦で年々有病率が増加している循環器疾患を対象に新しい臨床検査の開発や評価法の開拓、高齢化社会を見据えた地域疫学研究に取り組んでおります。
1.臨床検査法の有用性の検証と社会への発信
2.多様な疾患・病態を標的とした臨床検査のシーズ探索
3.基礎研究と臨床検査学における人材育成・産学連携の人材交流

氏名 職位 講座名 分野名 部門
長尾 学 特命准教授 疫学・公衆衛生学 立証検査医学 -
金城 健太 特命助教 疫学・公衆衛生学 立証検査医学 -

AI・デジタルヘルス科学講座

AI・デジタルヘルス科学分野

AI・デジタルヘルス科学分野では、データとAIが支える「誰も取り残さない」持続可能な未来医療の創生に取り組んでいます。国・自治体をはじめ、製薬・情報関連企業や保険・金融関連企業と広く連携し、レセプトや健診データなどから構成される医療ビッグデータの構築と多様な健康リスク予測AIの開発を進めています。また、次世代医療基盤法に基づく匿名加工情報を利用したデジタル治験モデルの開発・実証にも取り組み、得られた研究成果の社会還元を通じて、迅速な医療イノベーションの創出を目指しています。

     
氏名 職位 講座名 分野名 部門
榑林 陽一 特命教授 AI・デジタルヘルス科学 AI・デジタルヘルス科学 -
西村 邦宏 特命教授 AI・デジタルヘルス科学 AI・デジタルヘルス科学 -
川井 享代 特命准教授 AI・デジタルヘルス科学 AI・デジタルヘルス科学 -
姉﨑 久敬 特命准教授 AI・デジタルヘルス科学 AI・デジタルヘルス科学 -
藤原 彩子 特命助教 AI・デジタルヘルス科学 AI・デジタルヘルス科学 -

臨床研究開発科学

臨床研究開発科学分野・生物統計学分野

臨床研究開発科学分野・生物統計学分野では、臨床現場の課題を出発点とした有効かつ安全な新しい医薬品等の製品や医療技術を世に出すための、臨床研究開発の高品質化と科学的評価・検証を推進します。そのため我々は、下記の様に求められる研究基盤の評価・開発、精緻な設計・解析等の要素を融合した高度な臨床研究開発を支える新しい方法論や実践モデルの構築に取り組んでいます。
1. 臨床研究開発にかかる医療現場の知識や法的・倫理的・方法論的基盤の評価・開発
2. 高度な臨床研究開発を支える新しい手法論や実践モデルの構築
3. 臨床研究における統計学・データサイエンス学的手法の評価・開発

             
氏名 職位 講座名 分野名 部門
真田 昌爾 教授 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
角山 弘嘉 特命准教授 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
小畑 大輔 特命准教授 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
槇本 博雄 特命准教授 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
筧 康正 特命講師 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
菅原 健二 特命助教 臨床研究開発科学 臨床研究開発科学 -
今井 匠 特命准教授 臨床研究開発科学 生物統計学 -
村上 冴 特命助教 臨床研究開発科学 生物統計学 -
下村 由希 特命助教 臨床研究開発科学 生物統計学 -